書籍情報

この本との出会い
私は自分が内向的(introvert)なのか外向的(extrovert)なのかを知りたくて、この本を本屋で手に取りました。
その頃、私は自分自身をより深く理解しようとしていた時期でした。年を重ねるにつれて性格が変わったように感じていたのです。
子どもの頃の私は、いつも外で友達とスポーツをしたり、誰かと話したりするのが好きで、目立つことにも喜びを感じていました。
しかし今は、一人の時間を好むようになった一方で、人と話すこと自体は今でも好きです。
この変化に気づいたことが、この本を読むきっかけとなりました。
もう一つの理由は、現代社会では「外向的な人」が成功者とみなされやすく、「内向的な人」はその逆(失敗者)のように扱われる傾向があると感じていたからです。
しかし私は、それは必ずしも真実ではない、あるいはそうではないと信じたかったのです。
内向的な人と外向的な人が、私たちの人生にどのような影響を与えるのかを知りたいと思いました。
実はこの本を読む前に、著者のTEDトークの動画を見たことがありました。
その中で、内向的な人には外向的な人にはない独自の強みがあることを知り、もっと深く学びたいと思うようになりました。
これが、この本に出会い、読むことを決めたきっかけです。
本の概要
短いまとめ
社会の中での刺激に対する敏感さの度合いによって、人は外向型と内向型という二つの次元に分けられます。
これらの性質は、遺伝や社会的な関わりによっても影響を受けます。
内向的な著者自身が、外向型と内向型の違いを比較しながら、内向的な人が社会の中でどのように扱われるべきか、また内向的であることから得られる利点を説明しています。
この二つの特性は、状況によって長所にも短所にもなり得るのです。
重要なポイント
興味深い事実
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アメリカ人の3分の1から半分は内向的である。
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チームにおいては、内向的なリーダーは積極的な部下と、外向的なリーダーは受け身な部下と相性が良い。
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主要な性格特性の40〜50%は遺伝によって決まる。
印象に残った引用
“もしあなたが庭の木の下で座っていて、他の人たちがテラスでグラスを鳴らしているなら、あなたの頭の上にはきっとリンゴが落ちてくるだろう。”(p.75)
“私たちは、生まれながらにして、強く大人の性格を形づくる気質を持っている。”(p.105)
“西洋人は個人主義を促す大胆さや話術を重んじるが、アジア人は集団の調和を生む静けさ、謙虚さ、繊細さを尊ぶ。”(p.189)
“言葉は、言わない方がよいことまで暴いてしまう、潜在的に危険な武器である。”(p.187)
“子どもは感情的に脅かされたとき、学ぶことをやめてしまう。”(p.254)
この本を読んで感じたこと
この本を読んで、社会はもっと内向的な人にも優しい形に変われるのではないかと思いました。
現代の学校や職場は、依然として外向的な人向けに作られているように感じます。
私自身、日本で育った中でも同じような経験がありました。
先生の中には、「積極的に発言すること」や「クラスで目立つこと」を重視し、それが成績に反映されることもありました。
つまり、「たくさん話すほど評価が上がる」という構造です。
しかし、この本を読んでからは、外向性と内向性の両方の視点で物事を見られるようになりました。
著者が述べているように、どんな特性も状況によってプラスにもマイナスにも働きます。
だからこそ、社会全体として、どちらのタイプの人も平等に力を発揮できる環境を作る必要があると強く感じました。
この本は、内向的な人だけでなく、すべての人に読んでほしい一冊です。
なぜなら、社会を一方向からではなく、多角的な視点で見られるようになるからです。




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