書籍情報

この本と出会ったきっかけ
私は食習慣や栄養に関心があります。良い食生活は人間にとって非常に重要だと考えています。
子どもの頃、私は自分の体型を気にしたことがありませんでした。その理由のひとつは、私が活発な子どもだったからです。母は私に栄養のある健康的な食事を取らせようとしてくれましたが、私はファストフードやお菓子が大好きでした。
高校・大学時代には、競技のために体重を約10ポンド(約4.5kg)減らさなければならないことがありました。最初の減量は本当に大変でした。健康的に痩せるための知識がなく、試合では力が出ませんでした。その経験を通して、「何を食べるか」がどれほど重要かを痛感しました。その後も何度か減量を経験し、そのたびに食事の重要性を意識するようになりました。そうした背景から、自然と食習慣や栄養に興味を持つようになりました。
私は人生のほとんどを日本で過ごしましたが、アメリカに来てから「人々が何を買い、何を食べているのか」に驚きました。スーパーに行くと、大量の加工食品が並んでいて、エナジードリンクの大きさにも驚きました。また、アメリカでは体型の多様性を強く感じました。実際、アメリカに来てから私自身も5〜10ポンドほど体重が増えました。この経験から、「食品業界がどのように成り立っているのか」に興味を持ち、この本を手に取ったのです。
本の概要
短い要約
腸、遺伝子、記憶など、私たちの食習慣をコントロールできなくする要因は多く存在します。そして企業は、私たちの身体の反応を利用して利益を上げています。したがって、私たちにできることは、「加工食品を欲するように仕向ける企業の仕組みを理解し、意識的に注意を払うこと」です。
重要なポイント
興味深い事実や研究
お気に入りの引用
“Addiction is a very complex behavior that’s not determined by any one thing.”
「依存は、単一の要因では説明できない非常に複雑な行動である」(p.15)
“We eat what we remember, but also, we eat to forget.”
「私たちは、記憶のために食べ、また忘れるためにも食べる」(p.71)
“It’s not so much that food is addictive, but rather that we by nature are drawn to eating, and the companies have changed the food.”
「食べ物そのものが中毒性を持つというよりも、私たちが本能的に“食べること”に惹かれ、企業がその性質を利用して食べ物を変えてきたのだ」(p.147)
“The less time that food took, the more energy it saved and the more attractive it was to us.”
「調理や摂取にかかる時間が短いほど、私たちはそれをより魅力的に感じる」(p.110)
“If we were going to insist on eating better, the industry would define what better means and then own that, too.”
「もし私たちが“より良い食事”を求めるなら、業界は“良い”の定義さえも自分たちのものにしてしまう」(p.187)
この本を読んで感じたこと
この本を読んで、食事やダイエットにおいて最も大切なことを学びました。
それは、「人間は本来、高カロリーな食べ物を好み、便利で安価なものを選びやすいようにできている」という事実です。
読む前の私は、「なぜ人は自然にほうれん草やブロッコリーを食べたくならないのだろう」と疑問に思っていました。そして、「肥満や暴食、加工食品への依存は本人の意思の弱さのせいだ」と考えていました。
しかし、この本を通して、それが単なる意志の問題ではなく、「私たちの生物的な本能」や「企業の戦略」によるものだと気づかされました。
腹立たしいのは、食品メーカーが私たちの健康よりも利益を優先していることです。彼らは人間の本能を利用して製品を作り、「体に良さそうな」パッケージで私たちを安心させます。私自身も、パッケージの表面にあるキャッチコピーだけを見て、裏面の成分表を確認せずに商品をカゴに入れてしまった経験があります。
とはいえ、私たちにはまだ「選ぶ力」があります。
企業の戦略を見抜き、自分の体に何が良いかを学び続けることが大切です。
この本を読んだ今、私は「高カロリーなものを食べたい」と思っても、自分を責めないようにします。それは人間として自然なことだからです。
そのうえで、食品のラベルをより丁寧に確認し、「本当に健康的なもの」を選ぶ努力を続けていこうと思います。また、パッケージの宣伝文句を鵜呑みにせず、企業が利益のために仕掛けている戦略を意識的に見抜いていくつもりです。



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